健康情報 脳の老化を防ぐには
ワーキングメモリは読み書きや計算をはじめ、問題解決や意思決定など自立して生活する上で欠かせない能力ですが、加齢とともに低下していきます。また、アルツハイマー型認知症では、
ワーキングメモリが低下し続けていくことが知られています。
脳トレによってワーキングメモリを鍛えることで認知症の予防効果も期待でき、近年では初期の段階であればアルツハイマー型認知症の症状を改善する可能性もわかってきました。
「前頭前野」は様々な情報に優先順位をつけて、今何をすべきかを考え判断する、「ワーキングメモリ」(作業記憶)に関する部分。 脳の短期記憶と長期記憶との橋渡し役で、記憶のアウトプットも担う。すべきことが多すぎると、ワーキングメモリのパフォーマンスが落ち、「アレなんだっけ?」が増える。
加齢で脳はどう変化する
change1--脳が少しずつ萎縮
脳の一部は年齢とともに少しずつ萎縮していきます。萎縮の速さの程度は個人差があり、部位によっても違う。原因は神経細胞数の減少。
change2--前頭前野の機能が低下
特に前頭葉の前方の萎縮が早い。前頭葉は脳の司令塔とも呼ばれ、感情や意欲、柔軟性などを司る部分で、衰えると怒りっぽくなる。
change3--ワーキングメモリの機能がダウン
前頭前野にあるワーキングメモリの処理能力が低下。個人差はあるが、50代に入る頃には、最盛期に比べて30%を程度低下する。
筋トレと有酸素運動の組み合わせは脳の認知機能と実行機能を改善させます。
WHO(世界保健機関)では週に150分以上の中強程度有酸素運動に加え主要な筋肉を鍛える筋トレを週2回以上行うことを推奨しています。
ウォーキングや水泳、自転車などや、犬の散歩、庭の掃除など気楽に続けることができる有酸素運動を週に150分。
主要な筋肉を鍛える筋肉トレーニングを週に2回以上行うこと。ストレッチ、スクワット、腕立て伏せなどを組み合わさせて行いましょう。
国内外の研究により、脳トレにはワーキングメモリの働きを向上させ認知症の予防効果が期待できるといわれています。
脳トレによるワーキングメモリへの効果は短期間で得られ、数年以上にわたり持続することもわかりました。
一口に脳トレといっても、その種類は豊富です。なかには、周囲の人とコミュニケーションを取りながら行なう脳トレもあります。脳トレを行なうことを習慣にすれば、ストレスの軽減や気持ちのリフレッシュにつながるでしょう。
point-1--アルコールの摂取を控え、禁煙する
高血圧や糖尿病、心臓病などの生活習慣病は脳にも影響があるため、コントロールすることが推奨されます。
point-2--ストレスの少ない生活を心がける
不安な状態が続くと慢性的なストレスにより、ワーキングメモリの容量を占領されてしまいます。 リラックスできる時間をつくるなど、ストレスがかからない生活を心がけましょう。
point-3--健康的でバランスのよい食生活を心がける
特に抗酸化物質を含む緑黄色野菜や柑橘類・イチゴ・キウイフルーツなどの果物、ビタミンBを含む肉類や魚類、ナッツ類などの食品が有効とされています。
point-4--質の良い睡眠をしっかりとる
睡眠が足りていないとワーキングメモリは低下します。