夏の病気対策

高温多湿の環境を好む細菌による「食中毒」や命をおびやかす「熱中症」など、特に夏に気を付けたい病気について、症状や予防法をまとめました。

夏は高温多湿を好む細菌による食中毒が増えます。食中毒の原因になる細菌は、主に肉や魚や卵に付着していて、食べ物と一緒に体内に入ると腸の中で増えて腸に炎症を起こします。食中毒を起こす主な細菌と感染源は次の通りです。
原因菌と感染源

■アニサキス
さば、あじ、さんま、かつお、いわしなどの魚介類に寄生する。70度以上の加熱で死滅。■カンピロバクター
近年、食中毒発生件数が多い細菌。動物の腸管内に生息し、冷凍、冷蔵しても長期生存。肉類(特に鶏肉)は75℃以上1分以上の加熱が必要。
■ノロウィルス
感染者のウイルスが付着した食品や加熱不十分な二枚貝を摂取することで感染。90℃で90秒以上の過熱で死滅。

■つけない

洗える食材は、調理の前に丁寧に洗いましょう。肉や魚を切った包丁やまな板は、細菌がついているので、しっかり洗ってから使いましょう。細菌を「つけない」ために正しい手洗いを行うことが大切です。 特に、指先、指の間やつけ根、親指の周りなどには洗い残しが多く見られるので念入りに洗いましょう。
■増やさない

外で食材を待ち歩いている間、常に細菌は増え続けています。夏場は食材を買ったら、時間をかけずになるべく早く帰り、冷蔵庫にしまいましょう。調理後でも、食材を常温で放っておくと細菌が増えてしまいます。
■やっつける

多くの細菌は熱に弱く、しっかりと加熱をすることで死滅します。細菌を「やっつける」ために、肉や魚を調理するときはしっかり中まで火を通しましょう。冷蔵庫で保存していた料理を食べるときも、しっかり加熱をしてください。しかし、中には火を通しても死なない細菌もいるので、まずは「つけない」「増やさない」を徹底することが大切です。

熱中症は、暑さによって体内の熱を発散することができなくなって起こる体調不良です。

屋外での熱中症は、健康な人がスポーツや作業をしているとき、短時間のうちに発症することが多くなっています。一方、室内で起きる熱中症は高齢者に多く、発見が遅れてしまうと重症化してしまうこともあります。

■こまめな水分補給
脱水症状を起こすと、のどの渇きを感じにくくなります。のどが渇く前からこまめに水分補給する習慣をつけましょう。また、大量に汗をかいたときには水分とともに塩分補給も重要です。■クーラーと扇風機を使用する
暑い日には我慢せずに適度にエアコンと扇風機を使って、室温や湿度を下げましょう。一般に室温が28℃、湿度が70%を超える場合は、エアコンを使用することが望ましいとされています。■直射日光を遮る
カーテンや日よけシートで窓際の日ざしを遮り、室温の上昇を防ぐことも大切です。
夏は暑さで食欲が低下するうえ、たくさん汗をかいたり体力が消耗したりして、栄養不足に陥りがちです。すると、疲れやだるさなど、夏バテの症状が現れやすくなります。
● 予防のポイント
● 疲労回復のために十分な休養をとる
● 冷房で体が冷えすぎないようにする
● 疲労回復に効果的な食べ物を食べる
● 夏に不足がちな栄養素



